ポカポカ、日向ぼっこ、温活、岩盤浴、炭火焼きなど(遠赤外線グッズ、商品)専門ショップ「メディパーク」 温熱療法の悪性腫瘍(がん)に対する効果を示した信頼性の高い最近の臨床研究 | Medipark Far-infrared(遠赤外線)

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2019/11/07 17:48

温熱療法が抗癌剤・放射線療法の効果増強に寄与することは、基礎実験、臨床経験からも十分に認識されています。一方、温熱療法の効果に関する前向き臨床研究(※)に関する論文は意外に少ないのが現状でしたが、2018年、JAMA Oncology誌に、ESHO(欧州ハイパーサーミア学会)主導で行われた「ハイリスク悪性軟部腫瘍に対するネオアジュバント化学療法における温熱療法併用に関する無作為臨床試験(EORTC 62961-ESHO 95)」の長期成績が公表されました。この臨床研究の結果は、Nature Reviews Clinical Oncology 誌でも紹介されました。JAMAおよびNatureともに世界でトップレベルの科学雑誌です。

ハイリスク悪性軟部腫瘍に対しては局所療法や全身化学療法が行われますが、治療後の再発率は高いです.本試験は、ハイリスクの悪性軟部腫瘍患者346例を対象とし、化学療法のみで治療を行ったグループ(化療単独群)167例と、化学療法に温熱療法(42℃60分)を併用したグループ(化療+温熱併用群)162例で、予後を比較しました。




この臨床研究の一次評価項目である局所無増悪生存期間は中央値で化療単独群で29.2ヶ月であったの対し、化療+温熱併用群では67.3ヶ月で、化療+温熱併用群で有意に良好な成績でした。さらに、全生存率においても、化療単独群、科療+温熱併用群で、それぞれ5年生存率が51.3% 62.7%10年生存率が 42.7% 52.6%と化療+温熱併用群が有意に良好でした(ハザード比:0.73)。

 本研究は、厳密にコントロールされた前向き試験(※)の結果として、温熱療法の化学療法への上乗せ効果を、長期生存で示した極めて重要な報告と思われます。さらに、臨床試験で結果を出すことが困難な稀な腫瘍で、温熱療法の有効性を示している点でも意義深いものです。本研究の結果は、悪性軟部腫瘍にとどまらず、他の固形腫瘍(固形がん)に対しても温熱療法の臨床効果を期待させる結果といえると思います。欧州では、膵癌に対する第Ⅲ相無作為試験(ClinicalTrials.gov:試験番号NCT01077427)が行わています。今後、温熱療法が各々の固形腫瘍で標準療法と認められ確立していくには、本研究のように質の高い多施設共同の前向き臨床研究が実施され、その結果が望まれます

 

※前向き臨床研究:先に研究計画を立案してから、開始する臨床研究のこと。研究計画に基づいて、効果の有無を評価したい治療等を行い、新たに生じる結果についてデータを収集、解析します。これに対して、カルテ等の記録から過去のデータを取集、解析する臨床研究のことを、後向き臨床研究となります。前向き臨床研究は、後向き研究に比べて、研究結果の信頼性が高いといわれています。

 

(参考文献)

Issels RD et al. Effect of neoadjuvant chemotherapy plus regional hyperthermia on long-term outcomes among patients with localized high-risk soft tissue sarcoma: The EORTC 62961-ESHO 95 randomized clinical trial. JAMA Oncol 4:483-92 2018.

Killock D. Sarcoma: Local hyperthermia improves survival. Nat Rev Clin Oncol 15:266 2018.

 

(文章引用元)一般社団法人日本ハイパーサーミア学会ホームページ中の九州がんセンター消化管外科 森田勝先生の「学術報告」より